介護業界で高い入居率を誇る介護事業所にはある共通点がみられます。
それは大手の介護事業者であろうと、中小の介護事業者であろうと、その地域単体の介護事業所として見た時にみられる共通点です。
その共通点とは地域に開かれた介護事業所であるか否かという点です。
地域に開かれた介護事業所は、普段から地域の方々に介護事業所の存在を認知されているため、身内の介護で困った時に頼られやすいためです。
もちろん介護事業所の検索(集客)サイトや紹介所を利用したり、ケアマネージャーへの営業を強化するのも一つの手段ですが、それらは費用がかかるうえに、確実に集客を保証してくれるものではありません。
自らの手で将来の顧客へとつながる潜在顧客層を地域内でどれだけ多く獲得できるかが今後は重要になってくるでしょう。
といいますのが、現在介護事業所の数は増え続けており、おそらく2025年頃には飽和状態になるといわれているためです。
そうなると、介護事業所は顧客から選ばれなければ、地域の中において淘汰されてしまう存在となってしまうでしょう。
そうなる前に既に地域住民向けの施策を実施している介護事業所は効果が表れ、集客が成功し始めています。
そこで介護事業所の地域住民向けの施策でお勧めの施策について下記に紹介をさせていただきます。
〚地域向け施策の事例(一例)〛
① 介護予防イベントの実施
② 地域向けのお祭りなどのイベントの実施
③ 施設の庭や空きスペースで展示物やイルミネーションを設置
④ 駄菓子屋やカフェ、食堂、介護スナック、子ども食堂などを運営
⑤ 介護の相談スペースを設置、勉強会イベントなどを実施
⑥ 地域向けコミュニティスペース、寄り合い所などの運営
⑦ 子供、学生向けのスポーツ器具や遊具、図書施設の設置
⑧ 介護施設の中に保育施設を設置、運営
⑨ 地域の農家と連携し、利用者のレクリエーションの一環で農作業を実施
⑩ 地域のサークル活動と連携して活動発表の場を施設にしていただく
⑪ 地域向けの介護に関わる情報誌やメルマガ、SNSなどで情報を発信する
など
上記はあくまで参考事例ですので、皆様の事業所では何ができるのかについてはしっかりと考えてみるといいでしょう。
コロナ禍でリアルサービスの提供は難易度が高いかもしれませんが、オンラインや情報発信でしたら可能なケースもありますので、ぜひチャレンジいただければと思います。
ここで、地域住民向け施策を実施している介護事業者の事例も3つ紹介します。
■社会福祉法人恵比寿会
⇒ 地域向けの食堂を運営することで、地域の方に施設を知ってもらい、「このご飯が食べられるなら、介護が必要になったらこの施設に入りたい」と地域の人に言ってもらえる世界観を実現しています。
■グリーンライフ株式会社
⇒ 地域向けのイルミネーションの設置や地域向けのお祭りなどのイベントを定期的に実施することで、地域の人に存在を知ってもらえる事業所運営を心がけている介護事業者です。
■株式会社らいふ
⇒ 地域の要所となるキー施設をリストアップし、施設の職員が定期訪問することで、地域の介護のことで困ったことがあったら第一想起される施設づくりを意識している介護事業者です。
こういった取り組みは決して採用に直結する話ではありませんが、地域の人がどこかの職場で働こうと思った際に自事業所が就職の選択肢に入ってくる可能性が高まる施策となります。
なぜなら介護業界で働く人材はその地域に住んでいる地場人材であることが多いためです。
地域戦略は集客だけでなく、必ず自分たちの業界、事業所にも人材確保という形でかえってくる取り組みです。