大分県の介護施設で介護職員が施設の余剰スペースを使用して、本人の趣味である古本やレコードを販売する店舗を”休日起業”という形で休みの日に地域向けに運営し、話題になっています。
休日起業を実現した介護職員にとっては初期コストや場所に関するリスクを抑えて、趣味と実益を兼ねた新しい働き方を実現できる取り組みです。
また、こういった取り組みを実施することは介護施設側にとってもいくつかのメリットが考えられます。
具体的な介護施設側のメリットとしては以下の事項があげられるでしょう。
① 介護施設内の余剰スペースを活用できる
② 介護施設が介護サービス以外の売上を上げられる可能性がある
③ 働く介護職員の自己実現の場を介護施設として提供できる
④ 副業や社内起業の事例をつくることで、そういったキーワードで仕事を探している求職者に採用活動でリーチができる
⑤ 介護サービス以外のサービスを地域向けに提供することで、地域密着や地域活性といった活動を施設として実施できる
⑥ 新規サービスの内容にもよるが、介護施設の利用者へのサービスのラインナップが増える
⑦ 新規サービスを介護職員の力をベースに介護施設として始めることができる
⑧ 介護職員が自身のやりたいことを実現することによって、施設からの退職リスクを減らすことができる
特に地方の介護施設ですと、オープン当初は使用する予定だった部屋が結局使われずに放置されてしまっているケースをよく見かけます。
余剰スペースは何もしなければただ経年劣化していってしまうだけであるため、施設として何かしらのサービスや事業でそういった部屋を有効活用する意味や価値は十分に見出すことができるでしょう。
世の中的にも副業や起業は注目されている働き方であるため、今後介護業界でもこういった取り組みが増えてくる可能性があります。
介護施設の経営者・人事担当者は一度自事業所の職員に「何かやりたいことがないか」をヒアリングしてもいいかもしれません。
たとえヒアリング時に意見が出てこなかったとしても、職員の意見を傾聴しようとする施設側の姿勢は職員に好意的に受け止められることでしょう。
また、余剰スペースは自事業所の介護職員以外ですと地域の人材や地元企業に貸し出してもいいかもしれません。
地域の人材や地元企業とのコラボレーションは介護施設にとっても新たなサービスや事業の開発につながっていきます。
もし皆様の施設に余剰スペースがある場合には、そのスペースについて何かしらの活用ができないか検討することをお勧めします。
【介護施設の職員が休日起業した取り組みの取材記事は➡】https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2023/01/04/JIT202301040650