〚介護トピックス〛認知症の方が働ける社会

いま認知症の方が働けるようになるための社会づくりに注目が集まっています。
日本に認知症有病者は65歳以上の高齢者の1/6にあたる約600万人いるといわれています。

こういった取り組みは、この約600万人の労働力の活用に注目をされがちですが、認知症の方自身にとっても働くということはメリットがいくつかあります。
① 年金以外の収入の手段を得ることができる
② 脳や体を動かすことが介護予防につながる
③ 社会に参画できる
など

認知症の方でも働ける社会づくりについては、現在様々な介護事業所がチャレンジをしています。
様々な取り組みの中でみえてきた認知症の方にお任せできる主な仕事内容としてはよく下記があげられます。
■物品の販売
■施設や車などの清掃業務
■飲食店のホールスタッフ
■農作業
■運送作業、軽作業
■その方が長年続けてきた仕事の延長線上の業務
など
もちろん認知症の方を働く人として受け入れる法人・事業者やサービスの受け手サイドの理解は必要でしょう。
しっかりとした事前説明や案内、オペレーションによるミスのカバーなどは必要ですが、これらをしっかりと対策すれば、認知症の方でも働くことは可能といわれています。
また、認知症の方が働く際にはかきにあげられるよつないくつかの注意事項もあります。
■短期記憶が必要な業務は難しい
■毎日ではなく、週2~3日・1日4~5時間の短時間の業務が望ましい
■健康に配慮した環境を整える必要がある
■年金を減らさない範囲、依頼方法での就業にした方が望ましい
など

これらの取り組みはまだまだ発展途上で、決まった型がないため、どの福祉事業者も探り探り進めているというのが実態です。
ここでいくつかの福祉事業者の事例を紹介します。

□注文を間違える料理店
http://www.mistakenorders.com/
⇒認知症の方がレストランのホールスタッフとして働くお店を運営しています。

□株式会社シルバーウッド
https://www.silverwood.co.jp/
⇒有料老人ホーム内にて駄菓子屋を運営し、そこの店番を施設に入居する認知症の方にお任せしています。

□社会福祉法人伸こう福祉会
https://www.shinkoufukushikai.com/
⇒施設近隣の農家やメーカーと契約し、認知症の方が農作業で働けるような取り組みを行っています。

□NPO法人町田市つながりの開
https://xn--daysblg-5c9qzc.app/about/
⇒認知症になっても働き続けられる社会づくりを目指して様々な就業場所や活躍場所を開拓している福祉事業所です。

認知症の方が働ける社会づくりの取り組みは、社会課題の解決という側面ももつため、学生の採用という観点でも大きくPRすることができるでしょう。
福祉業界、介護業界の人事担当者は、自法人、自事業所の一つの差別化ポイントとして認知症の方が働ける社会づくりの取り組みについてぜひ一度検討してみてください。

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