福祉業界、介護業界では、スポーツ選手をうまく活用する見せ方をすることで、採用活動を成功させる事業者が存在しています。
たとえば、とある介護施設では、特別養護老人ホームの施設内に相撲の土俵を用意し、事業所の福利厚生の一環で社会人向けの相撲部をつくることで、相撲が趣味の社会人や実際に相撲のプロとして働く人材に副業として働いてもらうことに成功しています。
体力や筋力がある人材に働いてもらえるということで、施設としては大変助かっているそうです。
施設の入居者も相撲を見れるということで、相撲好きの入居者には非常に好評だそうです。
また、とあるデイサービスの施設では、利用者向けに卓球リハビリサービスを導入するために卓球台を購入し、その卓球台を利用者が利用していない時間はその施設で働く人材が使用しても問題がないというルールを設定したところ、卓球好きな学生や社会人が施設で働く人材として集まったそうです。
その施設では、卓球台がある施設として採用活動でPRすることで、人材の採用に困ることがなくなったそうです。
口コミなどで卓球好きな人同士で、いい職場としての紹介(リファラル採用)も頻繁にあるそうです。
卓球好きな人材が卓球リハビリサービスを利用者向けに提供するため、施設全体のサービスレベルも上がり、利用者にも大変好評だそうです。
その他、利用者向けのリハビリ用の機器を働く人材も使用できるようにすることで、体を鍛えることが好きな人材が集まった介護施設もあります。
毎月かかっていたジムの費用がうく福利厚生サービスとして、働く人材に喜んでもらえるそうです。
似た趣味や志向をもつ人材が施設に集まることもメリットの一つとのこと。
共通の話題があることで、職員同士のコミュニケーションも円滑になるそうです。
何か一つの領域に特化することで、その領域に興味関心が高い求職者にリーチして採用成功するという採用手法は福祉業界、介護業界では有効な手法の一つであるといえるでしょう。
「介護に興味がある人募集!」という採用メッセージよりも「卓球好きな人募集!」という打ち出し方の方が、より求職者にささることもあるでしょう。
福祉業界、介護業界をもともと志望していない求職者にリーチができるという点では、業界の人材不足解消の一つの選択肢としてとらえることも可能です。
スポーツ選手は通常の手法で採用した人材より体力、筋力があることが多いため、身体的介護サービスが必要な施設との『働く』という点での相性もいいといえるでしょう。
いかがでしょうか。
こういった取り組みは利用者にも喜んでもらえて、働く人材にも喜んでもらえ、人材を確保できる事業所も嬉しいという3者がwin-win-winとなる取り組みです。
スポーツ選手の活用についてぜひ福祉業界、介護業界の人事担当者は検討をいただければと思います。
施設のインフラ拡充が必要ではありますが、利用者向けサービスの拡大だけではなく、採用活動の一環としても非常に魅力的な施策であるため、検討する価値は十分にあるといえるでしょう。