いま福祉業界(保育・介護・障害)では、退職者を再雇用するための取り組みが広がっています。
福祉業界で働く人材は様々な理由で退職をします。
もちろん中にはネガティブな理由による退職も存在しますが、そうでない理由も存在します。
人のライフステージの中でたまたまその企業、事業所に合わないシチュエーションがあるためです。
たとえば、子どもができた、家庭の事情で残業や週5勤務ができなくなった、定年退職する年齢になったなどの理由があげられます。
一度離職をした人材はその後、家庭に入ったり、違う企業・事業所で働くことで、改めて前の職場のことを冷静に見ることができるようになります。
一度離職した人材が客観的に前の職場を見た際に「やっぱり馴染みがあるあの職場でもう一度働きたい」「今の職場と比較してみると、もしかしたら前の職場の方が自分には合っていたのかもしれない」などといった感情がわいてくるケースが頻繁にあるようです。
ただ、そういう気持ちにになった時に一度辞めた手前、なかなか前の職場には戻りづらかったり、連絡が取りづらいというのが通常の人間の感覚でしょう。
そうなった際、前の職場を辞める時に「もしまた戻っときたいと思った時はいつでも戻ってきていいですよ」と伝えられていたらどうでしょうか。
また、その時に「戻ってきたいと思った際に、このカードに書いている連絡先にいつでも連絡してきてくださいね」と書かれたカードを渡されていると、一度離職した人材にとっては再度前の職場に連絡がしやすいのではないでしょうか。
こういった理由から、いま福祉業界・保育業界の人事担当者が離職者に「復職用連絡カード」を渡すケースが増えてきているのです。
ネガティブな理由の退職者にこういったカードを渡す必要はないかもしれませんが、人事担当者として何かしら戻ってきてほしい人材にはこういったカードを渡すことで復職という方法による中長期の採用手段をとることが可能となります。
ちなみにこの施策は言葉だけではなく、形に残るカードという形で渡すことがポイントとなります。
カードという形で残すことで、一度離職した人材がそれぞれ必要なタイミングでそのカードを手に取ることができます。
福祉業界 (保育・介護・障害) の人事担当者はぜひ採用戦略の一つとして、復職用カードの導入をぜひ検討いただければと思います。
すぐに結果が出る施策ではないかもしれませんが、中長期的な視点で見るとこういった採用の芽をまいておくことは重要です。