東京都杉並区の保育園が保育士の働き方改革を実施し、中途採用の倍率が13倍になったという取材記事が話題になっています。
求職者にそれだけ人気の保育園となった一つのポイントは、人員配置を手厚くすることで、保育士が休憩や休みを取りやすくしたことだそうです。
ただ、この取り組みの背景には、人員配置以外にもう一つのポイントがあったそうです。
それは人員配置に関わるこういった制度を導入した人事責任者が異業界から転職をしてきて、「職員が休憩や休みを満足に取ることができないこの環境はおかしい」という違和感を感じ、他の業界と同じように休憩や休みを取れるような働きかけを率先して行ったということです。
これは異業界から転職をしてきた人材だからこそ、”保育業界で当たり前”だとされてきたことを”一般社会では当たり前ではない”ということに気づけたといえます。
このようなパターンは、異業界からきた転職者がうまく事業所内で機能したパターンの事例であるといえるでしょう。
ちなみに保育や福祉の業界では、しばしばバックオフィス職として異業界からの転職者を迎えることがありますが、このように転職者がうまく活躍するパターンとそうでないパターンが存在します。
異業界からの転職者で業界内で活躍するパターンの人材としては以下のパターンが多いと業界内ではいわれています。
① 入社後に保育業界の実務に関する体験や研修を受けていること
② 現場の保育士の声への傾聴ができること
③ 技術面を補佐するNo.2の人材をサポートメンバーとして付けること
④ 自身の行動を社風や風土に合わせることができる柔軟性があること
⑤ 業界の常識を慣例として諦めないメンタル面でのタフさを持っていること
⑥ 前職で何かしらのスペシャリストであること
特に⑤は非常に重要な要素であるといえるでしょう。
「業界を変える」と息巻いていた転職者がいつの間にか業界の慣例に飲まれてしまっている姿は、保育業界ではよくある事例だからです。
保育業界の経営者・人事担当者は上記を踏まえたうえで、保育施設の働き方改革のために異業界からの転職者の受け入れについて一度は検討をいただければと思います。
【中途採用の倍率が13倍になった保育園の取材記事は➡】https://chanto.jp.net/articles/-/1001534?display=b