〚保育トピックス〛内定者フォローについて

毎年4月1日の入社式までに学生の内定者フォローをどうすればいいか、頭を悩ませる人事担当者も多いのではないでしょうか。
なぜなら、福祉業界・保育業界は一般的には学生の採用を年中続けている事業所が多く、一度内定が出たといっても学生が他の事業所から内定をもらってしまい、入社式前に事態が発生しやすい業界であるためです。

内定者へは入社式まで月1回は接点を持つことをお勧めしていますが、ここでは内定式後の内定辞退者0を続けている福祉事業所の取り組み事例をいくつか紹介させていただきます。

① 内定学生が採用活動に参加する福祉事業所
⇒内定した学生にその年の採用活動に参加してもらう事業所があります。
 内定学生が学生目線で同じ学生に向けて「なぜその事業所を選んだのか?」ということを話ししてもらうと、人事担当者が学生に話すよりも説得力を持って話を聞いてもらえるでしょう。
 その他、座談会に参加してもらったり、採用コンテンツを一緒につくってもらってもいいでしょう。
 内定学生自身も自分の言葉でその事業所の良さを話すことで、事業所の良さについて改めて納得ができるように

②学生の保護者向けのコンテンツを用意
⇒福祉事業所の内定辞退の理由として、親の反対というものが多くあげられます。
 そういったことを防ぐために学生の親に向けて法人・事業所説明会を開催する事業所が増えてきています。
 コロナ禍で直接集まることが難しければ、WEB会議や手紙という手段もあるでしょう。
 中には、保護者と協力をして、入社式に学生へ「親からのサプライズの感謝の手紙」や「親からのビデオメッセージ」を渡す事業所も存在します。
 涙を出すほど感動する学生(新入社員)が毎年出るそうです。
 また、保護者に事業所の良さを伝えることで、学生が内定辞退を迷っている際に家庭で親から「あんなにいい事業所なんだから入社したら?」とフォローをしてもらうことが可能となります。
 保護者も巻き込んだ内定者フォローについては検討をいただければと思います。

③内定者同士の同期意識の養成
⇒内定者同士で仲良くなると、内定者同士で連絡を取り合い、お互いにフォローし合うために内定辞退率は低くなるといわれています。
 そのため、入社までの事業所のイベントにおける出し物やレクリエーションを入社者で何組かのグループをつくり、発表してもらうという内定者フォローのコンテンツを実施する事業所が増えてきています。
 法人・事業所の内定者イベント以外の場で内定学生者同士で打ち合わせを実施し、コンテンツをつくっていくため、より内定者同士の絆を深めていくことが可能となります。
 その他、内定者同士で事業者の費用で旅行を企画させて実際に行ったレポートを書かせる事業所も存在します。
 そうすることで内定者同士で関係性ができて、人事担当者がフォローできないタイミングで内定者が自らフォローできる体制を構築するのです。

④事業所の配属をエンタメ化
⇒事業所の配属をエンタメ化する福祉事業所が存在します。
 複数事業所を展開してる法人ですと、どこの事業所に配属されるかは内定学生にとっては非常に興味関心が高い事項といえるでしょう。
 この配属は事業所の通知は楽しみでもあり、不安もあるイベントといえるでしょう。
 とある福祉法人では、内定学生に全ての自社の事業所を見学してもらい、配属されたい事業所のTOP3を書いてもらっているそうです。
 もちろん中にはTOP3の事業所にきちんと配属されない、TOP3以外の事業所に配属されるケースもあるそうですが、「この法人は内定学生に事業所を選ばせようとしてくれている」とポジティブな印象をもってもらうことが可能となります。
 また、上記施策を実施することで、事業所の配属通知を単なる一イベントではなく、エンタメ化したイベントに昇華することに成功しているそうです。

⑤事業所のイベントに学生が利用者や保護者として参加
⇒内定学生へ事業所のイベントに利用者や保護者として入社まで定期的に参加してもらう事業所も存在します。
 もちろん本当の利用者や保護者ではありませんので、あくまでそういったフリということにはなりますが、いざ入社をすると、今度は自分がサービスを提供する側となるため、利用者目線で事業所を体感することができる貴重な機会となるそうです。
 また、学生が実際に事業所のサービスを体感することで、改めて事業所の良さを実感できるようになるそうです。
 定期的に事業所のイベントに参加してもらうことは、ややもすれば入社前の仕事ととらえられがちではありますが、あくまでサービスを体感いただくという立て付けにすれば、内定学生にもハードルを低く感じていただけるそうです。

いかがでしたでしょうか。
上記はあくまで一例ではありますが、福祉業界・保育業界の事業所では業界ならではの内定辞退防止の取り組みが多数行われています。
せっかく採用した学生や求職者が内定辞退してしまうことほど、人事担当者としては残念なこともありません。
ぜひ入社までの間に学生をうまくフォローすることで、内定辞退率を少しでも減らしていただければと思います。

fukushijinji

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