〚障害トピックス〛特産品や商品の開発

障害分野では、ブランディングされた特産品や商品を福祉事業所が開発して障害者がつくり販売するのがトレンドとなっています。
こういった取り組みの主な目的としては下記4つといわれています。
①障害者が賃金を獲得できるようになる
②障害者にとって社会参画のきっかけとなる
③福祉のことを世の中に知ってもらう機会を創出できる
④福祉事業所にとって報酬制度以外の収益を得ることができる

障害者や福祉事業所にとっては非常にメリットが大きい取り組みといえるでしょう。
一方でこういった取り組みは業界的には長続きしている事業は少ないというのが実情です。

なぜ長続きしないのでしょうか。
それは福祉として見たときには一見良さそうに見える取り組みでも、ビジネスとして見たときには難しい取り組みが多いためです。
たとえば、障害者がつくった一つの特産品や商品を最初は社会貢献や物珍しさから購入してくれた人がいたとしても、同じものを再購入してもらおうと思った際には、純粋に特産品や商品が魅力的でないと再購入してもらえません。
また、昨今では特産品や商品が売れるポイントとしてSNSなどの口コミュニケーションは重要な要素となっていますが、人に薦めるか否かということは商品力にかかってきます。
この肝心の商品力がないと、商品が売れないため、ビジネスとしては長続きしないというわけです。
残念ながらこの商品力がともなわない取り組みが福祉業界には多く存在し、結果長続きしないというわけです。

つまり、福祉事業所の皆様は特産品や商品を開発する際には、その商品がビジネス的に持続可能なものであるかどうかを事前にしっかりと見分ける必要があるのです。
そうでないと、初期投資を回収できず、せっかく新しく始めた取り組みが最終的には赤字に終わってしまうというケースも大いにあり得ます。

ここで、福祉事業所で継続可能なビジネスを行っている事例を2つご紹介します。

■NPO法人AlonAlon
https://www.alon-alon.org/
⇒胡蝶蘭というニッチマーケットに特化した商品を障害者がつくり販売して一定のシェアをとることで、障害者の所得向上を目指している事業者です。

■社会福祉法人福祉楽団
https://www.gakudan.org/
⇒障害者がつくるハムをブランド化し、首都圏の百貨店や地元向けのレストランで販売することで、上記の事業所と同じく、障害者の所得向上を目指しています。

上記2事業者に共通していることは、障害者がつくる商品を福祉を言い訳にせず、しっかりと一般社会向けに販売しているということです。
その結果、持続的なビジネスとして事業継続ができているのです。

福祉事業所の皆様もブランディングした特産品や商品を開発する際は、その事業がビジネスとして継続可能なものであるかをしっかりと見きわめてから取り組みを始めることをお勧めします。
また、そういった特徴的な取り組みが成功できた際には、事業者/事業所としてのブランディングもうまく訴求できるようになるため、中長期的には人材確保や採用成功にもつながります。

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