福祉業界、介護業界では昔からアニマルセラピーという言葉が一般的に聞かれてきました。
アニマルセラピーとは、動物との触れ合いを通じて心や体への癒し効果を出す療法のことをいいます。
こう聞くと難しく感じる部分もあるかもしれませんが、サービスの利用者である障害者や高齢者が動物と触れ合うことで、何かしらの改善効果が見込めることを考えると、そう難しいケアの手法ではないとご理解いただけるかと思います。
アニマルセラピーではなく、動物伴侶福祉、動物介在介護という言葉で表現されることもあるそうです。
ちなみにこのアニマルセラピーですが、施設で動物を飼うことだけをいうわけではありません。
たとえば、レクリエーションの一環で動物園や動物と触れ合える施設に行くケースや逆に動物を施設に連れてきてくれるサービスを利用することもいいます。
なかには、長年飼っていたペットと一緒に入居できるということを施設の売りにする福祉施設、介護施設も出てきています。
そして、このアニマルセラピーを採用活動でも活用する事業所が増えてきています。
なぜなら、「動物と一緒に働ける職場」ということをPRすることで、動物好きな求職者にリーチすることができるためです。
考えてみると、動物と一緒に働ける職場というのは日本ではそう多くありません。
動物と働ける職場としては動物園や娯楽施設、ペットクリニック、ペットショップ、猫カフェなどがあげられますが、これらの施設があまり大々的に人を募集することはありません。
そうなると、福祉施設や介護施設で「動物と一緒に働けますよ」と採用メッセージで訴求することで、動物に興味がある求職者に求人を見ていただけるのです。
また、こういった施設は口コミでも人を集めやすいという特徴があります。
実際にある福祉施設がアニマルセラピーを実施していく予定の施設であることを全面的に打ち出すことで、採用費0円でオープニングスタッフを全員採用できたという事例も出てきています。
ここで、いくつかアニマルセラピーを打ち出してる事業所や周辺事業所を紹介させていただきます。
■社会福祉法人心の会
⇒利用者がペットと一緒に暮らせる福祉施設で、動物伴侶福祉やアニマルセラピーについての先端事例を持っている社会福祉法人です。
■社会福祉法人ケアネット やよいほうむ
⇒施設で犬を飼っており、近所の小学生がその犬の散歩に行くなど、学生が施設を知る一つのきっかけとしてペットが活躍しています。
■株式会社アニスピホールディングス
⇒アニマルセラピー、ペットケアを売りにしたペット共生型施設をフランチャイズ形式で展開している民間事業所です。
■NPO法人アニマルセラピーwithワン
⇒福祉施設、介護施設へ動物を連れて、アニマルセラピーを提供する業界団体です。
■公益社団法人日本動物病院協会
⇒アニマルセラピーを提供するだけでなく、全国的にアニマルセラピーの啓発活動も行っている業界団体です。
福祉施設、介護施設によっては、あえて学生の説明会やインターンシップの際にアニマルセラピーを用いたレクリーションを実施することで、学生へ施設や事業所の印象を強くする採用手法を用いたりしています。
アニマルセラピーについては、求職者だけでなく、利用者にも喜んでもらえる施策であるため、一度自施設でどう活用できるかを検討してみてください。
サービスの拡大だけではなく、採用活動の一環としても非常に魅力的な施策であるため、検討する価値は十分にあるといえるでしょう。