人材不足の福祉業界・介護業界で夜勤専従スタッフを雇用する福祉事業所が増えてきています。
それでは、夜勤専従スタッフを雇用する事業所のメリットとは何でしょうか。
夜勤専従スタッフは既存の働く従業員にとっての働きやすさという側糸面と、採用面の2軸でメリットがある取り組みといわれています。
それぞれみていきましょう。
まずは働く従業員にとって、です。
夜勤専従スタッフを事業所が雇用することは既存の従業員にとっては下記のメリットがあります。
■ 日中の勤務がメインとなるため、生活や働き方が規則的となる
■ 日中の勤務がメインとなるため、日中勤務の職員同士のコミュニケーションが取りやすくなる
一方で夜勤手当を自身の給料の一部として見込んでいる従業員にとっては、夜勤手当が入らなくなるため、そういった意味では告知や夜勤専従スタッフの導入については注意が必要でしょう。
採用面ではどうでしょうか。
採用面では2つのメリットがあるといわれています。
一つは、出せる正社員向けの求人を変えられるという点です。
■ 正社員の求人で「日中勤務のみ」の求人を出せるようになる
とくに未経験無資格者を雇用したい場合、「夜勤有りの正社員」の求人より「夜勤無しの正社員」の求人の方が応募が集まりやすい傾向にあります。
もう一つは、夜勤専従スタッフの求人を出せるという点です。
■ 「夜勤専従スタッフの求人」は地域において一定のニーズがあります
具体的に夜勤専従スタッフはどういった人たちにニーズがあるかも見ていきましょう。
① 日中は勉学にいそしみたい学生
② 既に日中は何かしらの仕事をしており、副業で夜間に働きたい社会人
③ 日中は子育てに集中したい主婦
④ 芸能人やお笑い芸人、バンドマンなど、日中に急に呼び出される可能性が高い仕事をしている人
⑤ 日中は趣味の時間にあてたいという社会人
⑥ 日勤20日/月より夜勤10日/月の方が働き方として合っているという社会人
⑦ 多くのスタッフ(同僚)とコミュニケーションを取りながら働くより、必要最小限のコミュニケーションで働きたい人
⑧ 少ない勤務日数で効率よく稼ぎたい人(夜勤手当目当て)
⑨ 朝から働くよりも夜のみ働くというライフスタイルの方が合っている人
など
業界経験者の応募もあるかもしれませんが、未経験者の応募も多いため、夜勤専従スタッフの導入には、しっかりとした業務引き継ぎや業務自体のマニュアル作成、教育研修の整備は必須でしょう。
いかがでしょうか。
施設によっては日勤スタッフと夜勤スタッフとの間のシフトをうめるためのパート・アルバイトを雇用する必要が出てくるかもしれませんが、それでも夜勤専従スタッフの制度を導入するメリットは十分にあるといえるでしょう。
既存の従業員の働き方を変えるだけでなく、採用面でも事業所にとってはチャレンジする価値はあるでしょう。
福祉業界・介護業界の人事担当者は一度夜勤専従スタッフの求人を出してみて応募があるかどうかを見てみるのもいいでしょう。