〚障害トピックス〛ジェンダーフリー採用について

いま世の中ではジェンダーフリーという考え方が広がっています。
世の中のこういった流れをニュースなどで知ったという人も多いのではないでしょうか。
実はこれらの動きは採用面でも例外ではありません。

最近では、採用時にジェンダー(LGBTQ)フリーを打ち出す福祉事業所が増えてきました。
理由としては、福祉業界はLGBTQの方々が比較的働きやすい環境であることがあげられます。

一般的にLGBTQの方々を職場として積極的に受け入れる際は下記の3つの準備が必要だといわれています。
① お手洗いの配慮ができる環境
② 更衣室などの配慮ができる環境
③ 職員のジェンダーフリーへの理解がある状態

実は上記の①、②についてはあらかじめ備わっている状態であることが多いのが福祉事業所なのです。
たとえば、小さな飲食店などのサービス業態型の施設では、お手洗いは男女で一つづつしかなかったり、更衣室も同様に男女一つづつしかないケースが多いです。
一方で、福祉事業所では、男女共用のお手洗いや、利用者用の更衣室やお風呂場の脱衣所など、更衣室として使用できる部屋が複数あることが多いため、LGBTQの方々への配慮がしやすい施設形態であることが多いのです。
③については従業員のマインドの部分が大きいですが、もともと福祉業界で働く人材には「人の役に立ちたい」「人が生きることの支援がしたい」といった利他的なマインドを持つ人材が他の業界と比較すると多いため、ジェンダーフリー採用と相性がいい業界ともいえるでしょう。
もちろんそういった人が多い業界だからといって、何も啓発活動を行わずに、いきなりLGBTQの方々を職場に迎え入れるのはNGです。
入社をされる本人も受け入れる従業員にとっても相互理解がない状態は職場内コミュニケーションに亀裂が生じるリスクがあるためです。
LGBTQの方々を受け入れる際には、必ずジェンダフリーに関する職場内研修やマニュアル作成を行うようにしましょう。
自社でそういったコンテンツを用意できない場合は、研修のみを専門の会社にアウトソースしてもいいでしょう。

また、ジェンダフリー採用を打ち出すことは福祉・介護業界全体の人材不足解消の一つの手段としても注目を集めています。
いまの日本では10人に1人がLGBTQの方々だといわれていますが、それでもLGBTQの方々への配慮がなされている職場というのはまだまだ多くはありません。
そういった中で、ジェンダーフリー採用を積極的に打ち出すことで、LGBTQの方々に福祉・介護業界を注目してもらうということは、採用面ではプラスに働くことでしょう。
実際に、LGBTQの方々はWEB上の掲示板や口コミなどでLGBTQの方々が働きやすい職場についての情報交換を行っているそうです。
一人のLGBTQの方々が入社をされた後に、その方が自分の友人・知人を自身の職場に紹介したという事例も最近では多く聞かれます。
いい意味で業界が話題になることで、業界のことを知ってもらい、就業先の選択肢の一つして考えてもらうきっかけにもできるのです。

福祉・介護業界の人事担当者は、LGBTQの方々の受け入れができる職場環境が準備できるようであれば、ぜひ一度採用ホームページや採用パンフレットなどで、ジェンダーフリー採用について打ち出してみることを検討いただければと思います。

fukushijinji

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