〚保育トピックス〛人材が殺到する保育園とは
いま人材不足の保育業界において人材が殺到している保育園「社会福祉法人風の森」が話題になっています。
その保育園では新卒採用において7倍以上、中途採用においては倍率13倍以上の応募者の獲得に成功しています。
数ある取材記事の中で、同保育園では保育士の配置を国基準の2倍以上の職員を雇用していることが話題になっています。
ただ、この2倍という数字だけを聞くと、資金が潤沢にある保育園でしか実現できない事象としてこの事例をスルーしてしまう人事担当者の方も多いのではないでしょうか。
実は同保育園では、以下の工夫を行いながら手厚い人員配置を行うための人件費の確保を行っています。
①事務作業にかかるコストをICT活用することでスリム化
②補助金や助成金を積極的に活用する
③保育事業以外の事業を行う
③についてはいきなり実施するのは難易度が高いかもしれませんが、①・②についてはどの保育園でも実現可能なことだと思われます。
ただ、そのどの保育園でも実現可能なことができている保育園がどれだけ業界にいるでしょうか。
いま一度保育園の人事担当者は自事業所の①・②の見直しを実施いただければと思います。
そうすることで、人件費を捻出し、保育士の数を増やすことが可能となります。
保育士の数が増えれば、普段の業務に余裕が出てくることについては説明するまでもないでしょう。
業務に余裕ができると保育士一人一人の残業時間も少なくなります。
残業時間が少なくなると、事業所として以下のメリットが出てきます。
・ワークライフバランスが良くなるため、結婚、出産、子育て、介護などの職員のライフスタイルの変化による離職が少なくなる
・子育て中の職員が緊急の要件で早く帰ったり、業務時間の変更があっても、普段から余裕をもって残業もなく働いているため、周囲の職員の不満が少なくなる
こういった働きやすい環境を用意することで、はじめて就職・転職希望の求職者の応募獲得ができるようになります。
保育園の人事担当者としても自信を持って「当保育園は職員にとって働きやすい環境を用意しています」と言うことができるようになるでしょう。
よくありがちな誤解ですが、採用成功している保育園は「応募者がたくさんくるから働きやすい」のではなく、「働きやすいから応募者がたくさんくる」のです。
ぜひ保育業界の人事担当者の皆様も採用成功のためにいま一度自事業所のコストについて見直してみてはいかがでしょうか。
【社会福祉法人風の森の取材記事は➡】https://president.jp/articles/-/61004