〚介護トピックス〛利用者×採用の可能性
福祉業界、介護業界で、採用活動に施設の利用者(高齢者・シニア)の協力を得ることで、採用成功している事業所が増えてきています。
採用活動において、施設の利用者に協力をしてもらうと何がいいのでしょうか。
施設の利用者が採用活動に参加することの事業者側のメリットは下記3つといわれています。
①学生や求職者が実際働く際に接することになる利用者と触れ合うことで、リアルな職場体験ができる
②施設長や人事担当者ではなく利用者から施設やサービスのことを聞くことで、施設の特徴やサービスの説明に納得感を持てる
③利用者が学生や求職者を口説いたほうが、人事担当者や施設長が口説くよりも効果的なケースがある
一方で実はこの取り組みは事業者側だけではなく、利用者にとってもいくつかの良い効果があるといわれています。
■普段お世話になっている事業所や施設に恩返しができる機会を得られる
■企業の採用活動(ビジネス活動の一種)に参加することが社会参画のきっかけとなる
■学生や求職者とのコミュニケーションが、認知機能の改善、及び介護予防となる
ちなみに利用者の方が採用活動で活躍するシチュエーションとしては下記のようなケースがあげられます。
■利用者自身が学生や求職者へ施設の館内や提供サービスを案内をする
■利用者が学生や求職者へ施設やサービスの良さについて説明をする
■学生や求職者の面談や座談会などの採用イベントに利用者も参加する
利用者×採用活動の掛け合わせについては、事業者側だけではなく、利用者側にとってもメリットがある取り組みといえます。
学生や求職者にとっても職場でのリアルな働き方を知れる機会創出につながりますので、3者がwin-win-winとなる取り組みだともいえます。
実際に利用者×採用活動の掛け合わせで入社を決めた学生からは「利用者に”あなたにお世話になりたい”と言われたことが意思決定のきっかけです」や「施設の利用者が自身の目線で施設やサービスの紹介をしてくれたため、この事業所が本当にいいサービスを提供していることに納得感を持てた」などといった声が聞かれるそうです。
もちろんコロナ禍ですので、利用者と学生や求職者との安易な接触は避けるべきではありますが、感染対策をしっかりしたうえで家族の了承を得ているのであれば、利用者が採用活動に参加しても問題はないでしょう。
また、事前に利用者と練習を行えば、オンライン選考に利用者が参加することだってできるでしょう。
福祉業界、介護業界の人事担当者はぜひ一度利用者の方が採用活動に協力をいただけるかどうかについて検討してみることをお勧めします。
認知症の症状が進んでいる利用者の方であれば難しいかもしれませんが、コミュニケーションが円滑にできる利用者の方であれば、採用活動において活躍可能なポテンシャルを秘めているかもしれません。