〚保育トピックス〛地方移住×保育の可能性

最近、地方では少子高齢化や人口減少の影響をうけて、保育園や幼稚園が預かる子どもの数を十分に確保できずに閉鎖、倒産するケースが出てきています。
一方で、子育てがしやすい環境であることをPRしている地方や地域で子育て世代が増えて、逆に保育園、幼稚園の数が追い付かないという逆のケースも出てきています。

子育て世代が増えて、保育園、幼稚園のニーズが増えているエリアではほとんどの場合、地方自治体が街のPRや広報活動を努力して成果を上げていることが多いのが実情です。
なかなかそこに民間企業や福祉事業者、保育事業者が主体となって活動しているケースは聞かれません。
ただ、そうなってしまうと地方の福祉事業者、保育事業者は子どもの確保については完全に地方自治体の政策に依存をしてしまうことになります。

福祉事業者が国や地方自治体の政策に大きく収益が左右されるというのはある意味当たり前の話かもしれませんが、少子高齢化や人口減少が続く地方では待っているだけでは事業として倒産や閉鎖のリスクが年々増えていくだけでしょう。

今こそ保育事業者は地方自治体へ自ら子育てがしやすい都市、街として何ができるか、そういった打ち出しをしていきたいということを提案するべきではないでしょうか。
もちろん提案をしたとしても、保育事業者1社でできることは限られています。
医療機関や様々なインフラ業者などの協力が必要でしょう。
それでもただ黙って子どもの数が減るのを見ているよりは、福祉事業者、保育事業者の方から声を上げてもいいのではないかと思われます。

ウェブメディア『日経DUAL』が毎年「子育てがしやすい街ランキング」の指標を公表しているため、どういった観点で地方の自治体が街のインフラ、保育環境を整備していけばいいかはある程度の目安をつけることが可能です。
今は地方自治体と対話を続け、共に努力する姿勢が福祉、保育事業者にも求められる時代になってきたといえます。
福祉、保育事業所の皆様は一度地方自治体の担当者と今後の都市、街の方針について対話を持つ機会をつくることをお勧めします。

コロナ禍でリモートワークが注目されている今だからこそできる企画や帰郷を促すUターン企画、Iターン企画などを官民一体となって立ち上げるのも地域を盛り上げる一つの手段だと心に留めておくだけでもいいでしょう。

また、子育て世代が地方に流入するようになると、自事業所でサービス提供する子どもの確保だけでなく、人材確保もできるようになります。
若い世代が地方、地域に増える施策は、中長期的には採用活動にもつながっている話といえるでしょう。